時価会計の一時凍結?

2008年11月06日|弥永真生 筑波大学大学院教授
コラム トラックバック (1)

photo01 サブプライム問題に端を発した証券化商品市場の混乱や株式価格の下落をうけて、金融商品の時価評価要求を一時凍結してほしい、凍結すべきであるというような要望・主張があることが最近報道されている。また、その方向で日本の会計基準が改正されるのではないかという観測も示されている。
 しかし、企業会計基準委員会は、10月17日に「金融危機対応に関する報道について」というお知らせにおいて、「一部報道で、企業会計基準委員会で時価会計一部凍結や金融商品の時価会計の適用の緩和を決定したかのような記事が出されていますが、憶測記事であります。」と述べており、実務対応報告第25号「金融資産の時価の算定に関する実務上の取扱い」(10月28日)も、実務対応報告という形をとっていることからも明らかなように、これまでの会計基準を変更するものではないと考えられる。また、「債券の保有目的区分の変更に関する論点の整理」(10月28日)も、以下で言及する国際会計基準審議会(IASB)の「金融資産の再分類」に対応する形での会計基準の改正を行うかどうかに関するものにすぎず、時価会計の凍結とはいえない。
 日本公認会計士協会も、10月23日に、会長声明として「時価会計等に関する所感」を公表し、そこでは「日本公認会計士協会は、会計基準が、企業の実態を反映する鏡であり、投資家に対して意思決定情報を提供するための財務諸表に関する基準であることから、金融市場の混乱を契機に金融商品の時価評価を凍結することは、到底、賛同できないと考えている。」と述べている。

>>続きを読む

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL: http://businesslaw.jp/cgi-bin/mt2/mt-tb.cgi/43

この一覧は、次のエントリーを参照しています: 時価会計の一時凍結?:

» 国際基準の鵜呑みしかできない日本の会計専門家 送信元 The企業年金BLOG
会計基準委、債券の保有区分変更を正式決定 (NIKKEI-NET) 企業会計基準委員会は4日、債券の保有区分の変更を認める会計基準を正式決定した。決算期ご... [詳しくはこちら]