日本を、有権者の多数決で立法し、かつ、行政府の長を選ぶ民主主義国家へ変えよう

2009年8月12日|升永英俊 弁護士
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最高裁判所は、最高裁判所裁判官の過半数(8名またはそれ以上)の意見で、公職選挙法を含むすべての法律を憲法違反として無効にし得る強力な権限、すなわち、違憲立法審査権(憲法81条) を持っています。定数15名の過半数(すなわち8名以上)の最高裁判所裁判官が、「1人1票」のルールに照らし、「1票の不平等」を定める公職選挙法を違憲かつ無効である、と判断すれば、公職選挙法は無効となり、「1人1票」が実現し得ます。

2009年8月30日に実施される国民審査の対象となる最高裁判所の裁判官は、下記記載の9名です。

氏名 (2007年最高裁判決における「1票の不平等」を定める
公職選挙法の規定についての意見)
那須弘平 なすこうへい
(弁護士出身)
「合憲かつ有効」
涌井紀夫 わくいのりお
(裁判官出身)
「合憲かつ有効」
田原睦夫 たはらむつお
(弁護士出身)
「憲法の趣旨に沿うものとは言い難い」
近藤崇晴 こんどうたかはる
(裁判官出身)
(不明)
宮川光治 みやかわこうじ
(弁護士出身)
(不明)
櫻井龍子 さくらいりゅうこ
(元旧労働省女性局長)
(不明)
竹内行夫 たけうちゆきお)
(元外務事務次官)
(不明)
竹﨑博允 たけさきたけのぶ
(裁判官出身)
(不明)
金築誠志 かねつきせいし
(裁判官出身)
(不明)


そのうち、2007年最高裁判決で、「当時の『住所による1票の不平等』を定める公職選挙法の選挙区割の定めは憲法に違反せず、有効である」との意見を示しているのは、那須弘平裁判官と涌井紀夫裁判官です。田原睦夫裁判官は、選挙区割の規定は、「憲法の趣旨に沿うものとは言い難い」としています。残りの6名は「1票の不平等」の問題についての判決を下していないため、意見が不明です。

公職選挙法によれば、過半数の有権者が0.6票以下の価値の選挙権しか有していません。そのため現在、全有権者の過半数未満の有権者が国会議員の過半数を選んでいます。そして国会は、国会議員の過半数で、立法しかつ行政府の長を選んでいます。
民主主義とは、有権者の多数決によって、立法し、かつ行政府の長(首相)を選ぶことです。有権者の『少数決』で、立法し、かつ首相を選んでいる現在の日本は、民主主義国家とは言えません。

今の日本を有権者の多数決で立法しかつ首相を選ぶ民主主義国家に変えることは、有権者が、国民審査権 を 参政権 の行使として、自覚的に行使することにより可能です。

1票未満の「1人前以下の日本人」も、1票の「1人前の日本人」もありません。私どもは、皆同じ「1人1票」の「1人前の日本人」 です。

各最高裁判所裁判官についての情報を知った上で「国民審査権」を行使することによって、日本を「1人1票」の保障を土台とする、すなわち有権者の多数決によって立法し、首相を選べる、民主主義国家に変えることができます。現在と将来の日本のために。


最後に
本稿は、個人名を挙げて合憲派の裁判官に不信票を投ずるよう記述しています。しかし、これは、決して個人に対する誹謗中傷ではありません。国民は、国民審査権を行使するために、個々の裁判官の「1票の不平等」についての意見を知る権利があります。本稿の目的は、そのための判断材料を提供することです。

升永英俊 弁護士

ますなが・ひでとし
65年東京大学法学部卒業、73年東京大学工学部卒業。同年弁護士登録。79年コロンビア大学ロースクール修士課程修了。08年TMI総合法律事務所に参画。

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