[連載小説]戦う法務課長 第1話「契約作成の依頼」

2013年4月23日|北島敬之 ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社/代表取締役
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20045月から200912月まで雑誌「ビジネス法務」に掲載された企業法務小説「戦う法務マン」シリーズを、BLJ Onlineで連載します。

国際取引において法務担当者が関与するさまざまな場面が、主人公「隼太郎」の物語としてスリリングに展開していきます。どうぞお楽しみください。


 

――中堅商社法務課長の隼は国際法務を担当し、忙しく飛び回る日々。今日も機械部門の課長からある契約の相談を持ちかけられて……

 

突然の電話


 2004年秋のある日。現在21:30。今日はいつもより早く会社を出ることができた。夜になると寒さが増してきた。外に出ると、冷たい風が顔に吹き付ける。中堅商社の法務課長の隼は、先週依頼がきた外国企業向け融資契約の改訂作業に一段落をつけ、家路につくところであった。
 信号を渡り、地下鉄の駅に入ろうとしたその時、胸ポケットに入れていた携帯電話が鳴った。
 「おお、隼さん?今どこです? 至急相談したいことがあるんだけど」馴染みの機械部門の課長であった。
 「実はロシア向けに掘削機械の商売がまとまりそうなんだけど、これから契約の詰めなんですよ」
 「これから?」隼は、不機嫌になる気分を悟られないよう、丁寧に問いかけた。
 「いや、正確には来月から。それまでに、隼さんに基本的注意点の講義を受けたいと思って」
 「じゃ、取引きの概要を電子メールで送って下さい。自宅で見るよ。それと、ウチの審査部隊にはもう話してあるの?」
 「大丈夫。与信面ではすでに話を通した。じゃ、メールを送ります。私、これから接待で出ないといけないんで、何かあれば携帯に」

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