[連載小説]戦う法務課長 第21話「新人教育編③」

2013年9月19日|北島敬之 ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社/代表取締役
コラム トラックバック (0)

始 動

 

社名が、「三島工商株式会社」から「ミシマ」へと変わり、あらたに法務部が独立した組織となった。隼太郎は、部長補佐に昇進…といっても、実際に行なっている業務は課長職の頃と大差ない。一方で、隼は新設された「コンプライアンス部」の部長も兼務している。

現在の法務組織は、隼と乾美和の2名しかいない。さすがに、会社もこれではまずいと思ったのか、ヘッドカウントを2名追加することになった。しかし、法務を管掌する管理本部長の意向で、その2名は即戦力を中途採用するのではなく、今年入社した新人のなかから採用することになった。

そして今、まさに隼は、その新人たちの研修の場にいる。研修の途中に割り込んできたソウル支店の案件の相談を受ける、という法務部としての対応をライブで行うことで、新人たちに企業法務の難しさ、面白さを伝えようとしている。

そして、隼はもう一つの「仕事」、つまり、目の前にいる新人達のなかから、法務スタッフとしての資質を備える人材を見極めることも意識していた。

 

指 示

 

「私が質問したポイントについて、大至急調査をしてください。それは、ソウル支店の他のスタッフでもできますね?」

隼は、ソウル支店の轟へ話しかけた。

「轟さんは、もう一度、販売業者の財務担当の部長をつかまえて話を聞いてください」

「営業の担当ではなく、財務担当ですか?」

>>続きを読む

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL: http://businesslaw.jp/cgi-bin/mt2/mt-tb.cgi/155