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      <title>BLJ Online</title>
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      <language>ja</language>
      <copyright>Copyright 2010</copyright>
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            <item>
         <title>現代知的財産法における新しい空間、新しいアクター及び制度論的転回</title>
         <description><![CDATA[<hr size="2" color="#000099">


<img alt="20100125-1.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20100125-1.jpg" width="140" height="128" class="right" />九州大学大学院法学府国際プログラム主催（共催：北海道大学大学院法学研究科グローバルCOEプログラム「多元分散型統御を目指す新世代法政策学」）の国際シンポジウムが、2月13日、14日に、福岡市の九州大学国際ホールで開催される。「現代知的財産法における新しい空間、新しいアクター及び制度論的転回」を統一テーマに、基調講演およびデジタル著作権、医薬特許、知的財産法の国際私法的側面に関する三つのセッションが展開される。

今回、シンポジウムで取り上げられる項目の概要について、主催校で知的財産法の教育研究に携わっている小島立氏（九州大学大学院法学研究院准教授）に話をうかがった。

シンポジウムの概要については、以下のサイトをご参照ください。
<a target="_blank"  href="http://www.law.kyushu-u.ac.jp/programsinenglish/conference2010">http://www.law.kyushu-u.ac.jp/programsinenglish/conference2010</a>
<hr size="2" color="#000099">


<font color="#000099">―― この国際シンポジウムは、九州大学大学院法学府国際プログラムの主催ということですが、その特色について教えていただけますでしょうか。</font>
　九州大学大学院法学府（本学では、教育組織としての大学院を「学府」と呼びます）は、1994年から授業・論文執筆のすべてを英語で行う法学修士課程（LL.M.）を日本で初めてスタートさせ、1999年からは同様の法学博士課程（LL.D.）を開設いたしました。
　国際プログラムでは常に教育課程の改良を重ねてまいりましたが、より抜本的に改革を行うべく、2006年度の日本学術振興会「魅力ある大学院教育」イニシアティブに応募し、採択されました。その改革の大きな柱が、最先端の研究と教育を有機的に結びつけるべく、LL.D.学生が国際シンポジウム（以下、「LL.D.シンポジウム」）を企画運営するというものです。
　研究者には、優れた論文を執筆するにとどまらず、国際的な研究水準を把握し、その場で自己を的確に表現する能力が求められます。LL.D.シンポジウムでは、自分自身の研究に役立つよう、LL.D.学生がシンポジウムのテーマ設定と講演者の選定に積極的に関わり、さらにLL.D.学生自身も報告を行うことになっています。成果はアメリカのローレビューやヨーロッパの出版社からの単行本の形で公表してきました。
　これまで、コーポレート・ガバナンス、開発法学といったテーマでLL.D.シンポジウムを開催してまいりました。第5回目に当たる本年は、知的財産法をテーマに博士論文を執筆しているLL.D.学生が複数在籍していることから、知的財産法を統一テーマに設定いたしました。また、本学の国際プログラムでLL.D.を取得後、北海道大学大学院法学研究科の21世紀COEプログラム、グローバルCOEプログラムで活動してきた卒業生もおりますので、今回は北海道大学との共催という形をとらせていただいています。
　なお、本シンポジウムは、国際プログラムの企画として行われますので、報告や質疑応答はすべて英語で行われ、日本語通訳はつきません。その点はあらかじめご了承いただければ幸いです。

<font color="#000099">―― 今回のシンポジウムは「現代知的財産法における新しい空間、新しいアクター及び制度論的転回」というテーマですが、具体的にはどのような問題意識をお持ちでしょうか。</font>
　グローバルな市場、デジタル環境および新しい技術の出現は、「新しい空間（New Spaces）」を生み出し、知的財産法の議論に大きなインパクトを与えるに至っています。加えて、情報財の権利者、利用者、媒介者、発展途上国、非政府組織など、さまざまな「新しいアクター（New Actors）」の声は、知的財産法の政策形成過程や法形成過程において無視できない存在となりつつあります。これらの状況変化は、知的財産法の関係当事者間における利害調整のあり方に、必然的に大きな影響を与えるはずです。
　今回のシンポジウムでは、デジタル著作権、医薬特許、知的財産法の国際私法的側面という三つのテーマを素材に、現代知的財産法における「制度論的転回（Institutional Turn）」を検討します。「制度論（Institutionalism）」に基づく分析手法は、政策形成過程や法形成過程において生じる「不確実性」の原因となる様々な「変数」、例えば、取引費用や関係当事者の限定的な資源、各制度の有する能力などをつきとめることに役立ちます。
　不確実性という外的な費用を減らすために、制度論は、ある決定を行うにあたって、どの制度（例えば、立法府、行政府、司法府、市場）がいかなる資源や能力を有しているのか（言い換えれば、各制度が有する長所や短所は何か）、そしてその分析に基づき、当該問題の解決にあたり、どこに決定を行わせることが適切なのかということを考察します。
　私たち法律家は、何か問題が起きると新しい立法によって解決を図ればよいと考えがちですが、法は問題解決ツールの一つにすぎません。実際には、市場や技術、社会的規範といった各制度のポートフォリオの中で、個々の制度の強みや弱みを補う形で、それらを組み合わせた問題解決がなされているはずです。制度間相互の役割分担や相互補完などのダイナミズムについて考えることは、単に理論的な問題にとどまるものではなく、現実社会での問題解決にも大変有用であると私は考えております。
　また、制度論は、最も適切な規範形成のあり方（例えば、立法形式として、細かく要件が特定された個別規定（「ルール」）と不確定概念を用いた一般条項（「スタンダード」）のいずれを志向すべきなのかといった議論）や、ある制度における解釈アプローチ（例えば、ある制度は他の制度の決定にどの程度の謙譲を払うべきなのかといった点）にも重要な示唆を与えます。これは実際の訴訟の局面において、当事者がいかなる主張を組み立てるべきなのかという際にも、重要な視点を提供するだろうと思われます。
　今回のシンポジウムでは、制度論を学問的方法論の中核に据え、三つのテーマを横断的に分析し、今後の知的財産法のあるべき方向性を模索したいと考えています。シンポジウムのコンセプトペーパーを作るにあたり、LL.D.学生と私たち担当教員は、ただ単純に三つのテーマを並べるだけでは、教育研究の観点からの効果に乏しいと判断しました。三つのテーマという「縦櫛」を、制度論という方法論的な「横櫛」で刺すことにより、初めて多角的な視座に基づく考察が展開でき、新たな知見が得られるのではないかと考えたわけです。また、国際プログラムには、知的財産法以外の分野を研究している学生も多く在籍しています。制度論という方法論をシンポジウムで採用することにより、学生がその方法論に習熟し、知的財産法以外の分野でも、自己の研究に何らかの貴重な示唆を得られるのではないかという効果も狙っています。
　今回の講演者は、こういった私たちの考えを理解し、招へいを快諾してくださいました。世界の第一線級の講演者が集うことから、ハイレベルの議論が展開されるのではないかと、今から大いに期待しております。]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000135.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">インタビュー</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 25 Jan 2010 14:53:08 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>日本を、有権者の多数決で立法し、かつ、行政府の長を選ぶ民主主義国家へ変えよう</title>
         <description><![CDATA[<img alt="20090812-1.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090812-1.jpg" width="140" height="180" class="right" />
仮に、男は1票、女は0.9票という一票の不平等を定める選挙法の規定があったとしましょう。
更に、最高裁判所のある裁判官は、「この男女の1票の不平等を定める選挙法の規定は、合憲かつ有効」という意見であり、他の裁判官は、「この男女の1票の不平等を定める選挙法の規定は、違憲かつ無効」という意見だとしましょう。

最高裁判所裁判官に対する国民審査の時に、100人の女性中、100人が、国民審査権の行使として、有効派裁判官（合憲派）に不信任の投票をするでしょう。100人の男性の多くも、同じように、不信任の投票をするでしょう。選挙権を性によって差別することは、<b>不正義</b> だからです。

ところが、あなたの選挙権は、住所によって、この0.1票の性による差別以上にひどく差別されています。衆議院選挙での選挙権の価値は、高知3区の有権者の選挙権を1票とすると次のとおりです（<a target="_blank"  href="http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2008/pdf/081225_11.pdf">2008年12月25日付総務省資料</a>）。

例えば、京都１区（京都市北区等）有権者：<b>0.6票</b>
―　あなたの選挙権の価値は、こちら（「<a target="_blank"  href="http://www.ippyo.org/">一人一票実現国民会議」サイト</a>）の簡易検索から瞬時に検索できます　－

仮に、1000万人有効投票者の1人当たりの1票の価値は、実は、0.6票でしかなかったとしましょう。
1人当たり0.6票の価値しか与えられていない有効投票者1人1人は、自己の投票用紙を、1票の価値のある投票用紙と信じて投票しています。ところが、開票すると、これらの0.6人前の1000万人の有権者が投じた1000万枚の投票用紙は、600万票の投票済み投票用紙の価値しかありません。ということは、例えて言えば、開票時には、400万票の投票済投票用紙が本人の同意なく透明人間によって抜き取られていることと同じです。
ある発展途上国の選挙で、選挙の投票箱が違法に持ち出されたり、破棄されることを防ぐために、国連の国際監視委員会の人々が、国外から続々と入国した、と報じられました。選挙の投票箱の不正な持ち出しは、民主主義を根底から破壊する行為です。
国政選挙での「1票の不平等」の問題は、選挙人が行使する「1人1票」の権利を否定する点では、「投票箱の不正持ち出し」と変わりません。
<b>住所を理由とする「1人1票」の否定は、不正義の最たるものです。</b>

米国連邦最高裁判決（Karcher v. Daggett, 462 U.S. 725 1983年）は、1983年、米国下院議員選挙に関し、1票対0.993票の1票の不平等（ニュージャージー州の4区の人口：527.472人〈最大〉；同州の6区の人口：523.798人〈最小〉。両選挙区の人口差：3,674人（=527,472－523,798）。3,674(人)÷527,472(人)≒0.00697。6区（最大）と4区（最小）の1票の不平等は、1票（6区）対0.993票（4区）です。）を定めるニュージャージー州選挙法を違憲・無効としました。米国（合衆国連邦）は、地球上で初めて建国された民主主義国家です。この民主主義の発祥国・米国の連邦最高裁は、この1983年判決で、「1人1票」の保障という「法の支配」を実現するために、違憲立法審査権を行使しました。

重大な問題は、しばしば、際どい多数決により決着しています。
2008年11月の米国大統領選挙で、大勝したように広く報道されているオバマ候補は、実は、全有権者の53％しか得票していません。マケイン候補は、大敗したような印象をもたれていますが、46％の得票率です。議論のための議論として、「1票の不平等」が、オバマ候補にわずか0.1票不利であったと仮定すると、オバマ候補は米国大統領に就任し得なかったのです。
<b>以上のことから分かるとおり、例え0.1票差の不平等であっても、「一票の不平等」のもたらす反民主主義性は重大です。</b>]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/column/000114.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">コラム</category>
        
        
         <pubDate>Wed, 12 Aug 2009 17:07:38 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ウィーン売買条約発効後の実務対応（5）</title>
         <description><![CDATA[<img alt="20090721-1.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090721-1.jpg" width="210" height="140" class="right" /><font color="#000099"><b>10．完全合意条項を設けての書面性の要求</b></font>
<b>吉川</b>　　次は、契約の成立に関連した11条の方式の話をしましょうか。「売買契約は、書面によって締結し、又は証明することを要しないものとし、方式について他のいかなる要件にも服さない。売買契約は、あらゆる方法によって証明することができる」という規定が入っているのですが、これは書面性を要求する英米法の考え方とは逆で、むしろ日本法に近い考え方です。そういう意味では我々でも十分理解できる規定ではないかと思うのですが、これについてはどのようにお考えですか。

<b>小林</b>　　吉川先生のおっしゃるとおりなのですが、ただ実務的にはいったん紛争になった場合に大変であることは否めないですよね。ああ言った、こう言ったと、別の口頭の合意があることを主張、立証していくわけですから。それを国際的な紛争においてするというのはかなり大変ですので、企業の方々にとっては、やはり書面だけで話が進むようにした方が楽だと思います。特に、担当者が変わってしまうときには、以前にこんな話があったとか、なかったとかいうことは、かなり困ったことになるのではないかと思います。この点についても、基本的には当事者間の合意で配慮できるとは思います。

<b>吉川</b>　　そうですよね。例えば、29条2項で、「合意による変更又は終了を書面によって行うことを必要とする旨の条項を定めた書面による契約は、その他の方法による合意によって変更し、又は終了させることができない」という規定がありますので、ＣＩＳＧ自体も書面を要求するという慣行は理解しているということですね。

<b>大貫</b>　　ただし、29条2項後段に、「当事者の一方は、相手方が自己の行動を信頼した限度において、その条項を主張することはできない」と規定しています。英文契約書でよく見られる、いわゆる完全合意、エンタイア・アグリーメント条項の中には通常、契約締結後の変更は書面で行うとの規定がありますが、これがどう取り扱われるかという問題が出てくるわけですよね。

<b>竹下</b>　　現実問題としてそのような条項があるとしても、実務上は本当に、年が経つにつれていろいろなことが変わっていっているのです。そうすると、相手方ももうそれを信用してしまっており、いろいろな取引条件も書面によらずに既に変わってきたじゃないかと言われてしまったときに、どうなるかという話はありそうです。

<b>大貫</b>　　現場に対しては、口頭は慎重にということは言っておく必要があると思います。ですから、そういう意味ではやはり、必ず書面で確認しておくということの大切さを啓発しておく必要があるのではないでしょうか。

<b>竹下</b>　　実際にも、契約書だけ出して裁判や仲裁をしたというのは、私も記憶がありません。そういう意味では、契約書以外の書面も非常に重要だということは、実務の中では理解されているとは思いますけれども。

<font color="#000099"><b>11．74条と矛盾するペナルティ条項を挿入することの意味</b></font>
<b>吉川</b>　　別のポイントとして、損害賠償の範囲、「当事者の一方による契約違反についての損害賠償の額は、当該契約違反により相手方が被った損失に等しい額とする」という74条の規定があるのですが、どうでしょう。

<b>小林</b>　　この条項についても、任意規定なのか強行規定なのか気になるところです。一般的に、英米法では違約罰と呼ばれているものは認められていません。他方、日本法においては、公序良俗に反していない限り認められている現状があります。その中で、その違約罰に相当するような条項を規定した場合に、ＣＩＳＧが適用されるときには、これは有効なのかどうなのかが問題だと思います。

<b>大貫</b>　　ユニドロワ原則では、7．4．13条の規定があります。不履行に対する支払いの合意、agreed payment for non-performanceの規定ですが、指定された損害賠償額によって、この規定がどういう影響を与えるかというのも面白いところじゃないかと思います。

<b>竹下</b>　　現実の損害に関わりなくその金額を請求する権利を有する、だから決めたらそれでいきなさいということですよね。

<b>大貫</b>　　そういう意味では7条の問題として2項で不明な場合に、それではどこに準則を持っていくのかというところで、一般原則というときに、このユニドロワの規定がどれだけ影響を与えてくるかということですね。

<b>小林</b>　　ユニドロワの規定は、ペナルティを排除する英米法の状況よりは、わりと緩やかかなという印象を持ちます。

<b>吉川</b>　　結局、ＣＩＳＧの任意規定性の6条で、当事者が自由に内容を決められるというのがＣＩＳＧの基本的な考え方ですから、そういう意味では排除することは可能かと思いますが。ＣＩＳＧの規定を排除した結果、設けられた規定がその次に適用される準則によって、公序に反するということで排除される可能性もあるわけです。

<b>小林</b>　　そうすると、その公序が何なのかというのが、非常に重要になってきますし、逆に何か分からないところがリスクであるという気もします。

<b>大貫</b>　　しかし、国際取引の場合は、公序というのは国によって相当隔たりがあるので、これはもう売買に限らずあらゆる面でそう言えるのではないでしょうか。

<b>小林</b>　　そうですね。最終的に相手国における、その承認、執行まで考えると、相手国の公序がどの程度広いか狭いかによって違ってきますので。]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/zadankai/000109.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">座談会</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 21 Jul 2009 14:20:59 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ウィーン売買条約発効後の実務対応（4）</title>
         <description><![CDATA[<img alt="20090716-1.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090716-1.jpg" width="210" height="140" class="right" /><font color="#000099"><b>8．契約の成立</b></font>
<b>吉川</b>　　契約の成立についても、日本法と若干違いますよね。offerとacceptanceで契約が成立するということについては、日本法もＣＩＳＧも、あるいはニューヨーク州法も変わらないわけですけれども、「offerがあって沈黙していた場合は契約が成立するものとする」という規定の仕方を有効視するのかどうかという点で若干違いが出てくるのかなと思いますが、
どうですか。

<b>大貫</b>　　ただ、その前に、offerですが、日本法と同じというのは少し問題がありますね。ＣＩＳＧだと、16条1項で、申込みは撤回できます <font color="#6699FF">注8</font>。それで、同2項で、撤回不能の意思表示ないしは承諾回答期限を定めている場合は撤回できないと規定されています。ここはちょっと注意点ですよ。

<b>吉川</b>　　英米法流にですね。日本法の場合は、そもそも、もう一定期間撤回できないということですよね。

<b>小林</b>　　ただ、ＣＩＳＧの場合も、申込みについても撤回できる限度がありますよね。だから、そういう意味ではそれほど差がないのかなと。

<b>吉川</b>　　16条2項ですね <font color="#6699FF">注9</font>。申込みは一定の場合には撤回することができないといっています。規定のあり方は違うんですけど、そんなに大差あるかというとそうでもない。

<b>大貫</b>　　申込みは撤回ができるという点に基本を置いているわけです。だから、日本の民法と一緒だというところには、私は違和感を覚えます。そういう前提を踏まえて、申込みと承諾、そして承諾の沈黙を考える方がいいと思うんですよ。

<b>竹下</b>　　初めての相手との取引だとこのofferとacceptanceのところが問題になってくるのはよく分かるんですね。一方、私どもの今の実務だと、大体、反復継続した取引になるので、どういうふうに注文書を出してどういうふうにアクセプトするかも、ほとんど基本契約で決めてしまっているので、契約に従って解釈されると思います。だからこの条項は多分、一番最初や一品ものの売買などのときに重要になると理解しています。


<hr size="2" color="#000099">

<font color="#6699FF">注8</font>
第16条　（1） 申込みは、契約が締結されるまでの間、相手方が承諾の通知を発する前に撤回の通知が当該相手方に到達する場合には、撤回することができる。

<font color="#6699FF">注9</font>
第16条　（2） 申込みは、次の場合には、撤回することができない。
（a） 申込みが、一定の承諾の期間を定めることによるか他の方法によるかを問わず、撤回することができないものであることを示している場合
（b） 相手方が申込みを撤回することができないものであると信頼したことが合理的であり、かつ、当該相手方が当該申込みを信頼して行動した場合]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/zadankai/000108.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">座談会</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 16 Jul 2009 18:28:14 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ウィーン売買条約発効後の実務対応（3）</title>
         <description><![CDATA[<img alt="20090715-1.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090715-1.jpg" width="210" height="140" class="right" /><font color="#000099"><b>5．過失責任主義の否定 </b><font color="#6699FF">注1</font><b> と不可抗力 </b><font color="#6699FF">注2</font><b> という概念</b></font>
<b>吉川</b>　　ここからはＣＩＳＧの具体的な中身に触れていきたいと思います。ＣＩＳＧと日本法の大きな違いの一つですが、債務不履行の要件として「過失」を要求するかという問題があります。ＣＩＳＧは、「無過失であっても、きちんと契約を履行していない場合は責任を問う」というスタンスですが、一見これは日本法と大きく違うようにみえます。ＣＩＳＧ加入後に、これは大きな問題になりそうですか。

<b>小林</b>　　日本法においては、債務不履行については過失責任主義だと一応解釈されていますが、契約において履行すべき債務に既に合意していてそれを履行しない場合、過失があると推定されます。逆に無過失であると立証していくことは大変です。そうすると、ＣＩＳＧと日本法とではそれほど違いは出てこないようにも感じております。

<b>吉川</b>　　規定の上で一見大きな違いがありそうでも、実務ではあまり問題なさそうだということですね。もう一つ、不可抗力についての規定がありますよね。これも、日本の取引関係者や法曹にとっては、なじみがないものかもしれませんが、その点はいかがですか。

<b>小林</b>　　確かに、日本法上、売買においては、不可抗力はなじみが薄い概念だとは思います <font color="#6699FF">注3</font>。ただ、日本法が準拠法であっても、英文の売買契約においては、通常「不可抗力条項」があるので、実務的には、それほどびっくりするような話ではないと思います。実務で英文売買契約書に書かれている不可抗力条項と、ＣＩＳＧの不可抗力条項との違いがどうなるのかという問題はありますが、ＣＩＳＧが任意規定であるということを前提とすると、それほど大きな問題ではないのかなという気もします。

<b>竹下</b>　　そうですね。債務不履行や不可抗力の場合などは、契約条項として書いてしまうことが多いので、ＣＩＳＧが問題だということはないでしょう。要するに、契約書できちんと手当てをしておけば良いという感覚ですね。

<font color="#000099"><b>6．重大な契約違反でなければ解除が認められないこと</b></font>
<b>吉川</b>　　ＣＩＳＧの基本的なスタンスとして、なかなか契約解除を認めないという点が挙げられます。ＣＩＳＧは、当事者間に契約関係ができると、できるだけその関係を壊さないように配慮しているようでして、ファンダメンタル・ブリーチ（fundamental breach）でなければ契約の解除は認められないという規定が置かれています <font color="#6699FF">注4</font>。この点も日本法とは少し違うように思うのですが、どのように評価されますか。

<b>小林</b>　　確かに純粋に日本法を前提とするとかなり違ってくるようにも思われますが、一般的に使われている契約においても解除条項は書かれてあります。そうすると、その点についてもそれほど大きな問題はないような気がします。しかし、先ほどＣＩＳＧは基本的に任意規定であることを前提として話しましたが、ＣＩＳＧが契約をできるだけ存続させようとする立場を採っていることからすると、この契約解除に関する規定についても、本当に任意規定として解釈されるのかどうかは不安があります。例えば、よく「マテリアル・ブリーチ（material breach）があった場合には解除ができる」という契約条項を置きます。ここで、マテリアル・ブリーチとは何か問題となります。ＣＩＳＧはファンダメンタル・ブリーチという用語を使っているので差があるのかもしれません。意味を確定するために、さらに、買主が代金支払義務を履行しないことはマテリアル・ブリーチであると書いてある契約があります。ＣＩＳＧが任意規定であるとの理解では、この条項に基づいて直ちに解除できるということになりますが、本当にその解除が有効なのかどうか、気になるところです。

<b>大貫</b>　　よく似た例で、英文契約書に"Time of shipping is of the essence of the Contract." <font color="#6699FF">注5</font> という規定がありますよね、これはコモンローからきているわけです。コモンローの場合、契約が履行されない場合の条件としては、相手方が直ちに契約解除できる条件をコンディション（condition）といい、必ずしも契約解除できず、損害賠償に止まることもある条件をワランティ（warranty）といいます。単なるワランティ条項を、この合意規定によってコンディション条項に格上げすると、"Time of shipping..."の違反をもって、直ちに契約を解除することができるというストーリーになります。そのためにこの条項が入っていると思うんですよね。コモンローだからそれでいいわけですけれども、これがＣＩＳＧ適用になった場合に果たしてその合意規定が生きるのかどうか。ＣＩＳＧでは催告が必要で、催告を出してそれでも不履行の場合に契約解除できるという枠組であったはずです <font color="#6699FF">注6</font>。そうすると、当事者間のこの合意条項はどのように解釈されるかという点はちょっと心配なところだと思いますね。

<b>吉川</b>　　ＣＩＳＧは基本的に実務に近いことを想定しています。もともと契約当事者はせっかく結んだ当事者関係、契約関係ができるだけ壊れないよう意識するものですよね。できることなら相手方と交渉して壊れかけた関係をもとへ戻したいというふうに思うわけですから、法律が厳しく「契約解除できる」というふうに定めていることが当事者関係の邪魔になるということもあるわけで、ＣＩＳＧはそういうことを配慮して、当事者のために簡単に解除してはいけないよということを言っているような気もするのですけれども。

<b>竹下</b>　　確かに、「1日でも支払いや船積み遅延があれば、直ちに解除です」というふうに実務上なるかというと、そうはならないですね。それをしようと思うときには多分他の理由があるのでしょう。国際取引だとそういった不履行は往々にしてあるわけで、ＣＩＳＧがあることによって、契約がより柔軟に解釈されることはあるだろうとは思いますね。特に、大貫先生がおっしゃったように、例えばアメリカでの裁判だと英米法系の解釈に流れるのでしょうが、日本で裁判をするときは、どうなるでしょうか。

<b>小林</b>　　「いかなる代金の支払い遅滞でも重大な契約違反だから直ちに解除できる」と書いてあっても、日本の裁判所がその解除を直ちに認めるかどうか怪しいところがあると思います。

<b>大貫</b>　　一方、コモンローの場合は、あくまでも契約は厳格に守るべしという法ルールがありますので、そうすると当事者の合意規定の重みというのは微妙に違ってくるということはあると思うのです。

<b>竹下</b>　　逆に本当に解除までしたいというときは、事あるごとに警告を出すなど相手に対して働きかけをしておかないといけないと思います。勝手に心の中で不満をためておいて突如「解除する」といったことはできないのだという理解が必要でしょう。

<b>大貫</b>　　ところで、ユニドロワ原則にもＣＩＳＧと同様のファンダメンタル・ブリーチの規定があります。ＣＩＳＧと違うところは、重大な契約違反とはどのようなものであるかについて、より具体的で詳細な規定があることです <font color="#6699FF">注7</font>。参考になるのではないでしょうか。


<hr size="2" color="#000099">

<font color="#6699FF">注1</font>
第45条　（1） 買主は、売主が契約又はこの条約に基づく義務を履行しない場合には、次のことを行うことができる。
（a） 次条から第52条までに規定する権利を行使すること。
（b） 第74条から第77条までの規定に従って損害賠償の請求をすること。
＊買主の債務不履行については61条1項に同様の規定がある。

<font color="#6699FF">注2</font>
第79条　（1） 当事者は、自己の義務の不履行が自己の支配を超える障害によって生じたこと及び契約の締結時に当該障害を考慮することも、当該障害又はその結果を回避し、又は克服することも自己に合理的に期待することができなかったことを証明する場合には、その不履行について責任を負わない。

<font color="#6699FF">注3</font>
日本法にも不可抗力の概念が存在しないわけではない。民法419条3項は、金銭債務の不履行による損害賠償について、不可抗力をもって抗弁とすることができない旨を規定している。

<font color="#6699FF">注4</font>
第49条　（1） 買主は、次のいずれかの場合には、契約の解除の意思表示をすることができる。
（a） 契約又はこの条約に基づく売主の義務の不履行が重大な契約違反となる場合
（b） 引渡しがない場合において、買主が第47条（1）の規定に基づいて定めた付加期間内に売主が物品を引き渡さず、又は売主が当該付加期間内に引き渡さない旨の意思表示をしたとき。
＊売主による契約解除については64条1項に同様の規定がある。

<font color="#6699FF">注5</font>
「出荷時期こそ本契約の重要な要素である」という趣旨の規定。

<font color="#6699FF">注6</font>
46条に履行請求権、47条に履行のための付加期間の設定、48条に売主の追完権の規定があり、解除にあたっては、これらの規定を49条の契約解除権の規定と併せて解釈する必要がある。

<font color="#6699FF">注7</font>
ユニドロワ国際商事契約原則7.3.1条2項は「債務の不履行が重大な不履行にあたるか否かを判断するにあたっては、特に次の各号に定める事情が考慮されなければならない」と規定する。その（a）号は、CISG25条とほぼ同旨だが、そのほかに、重大な不履行の態様を規定する（b）ないし（e）号が加えられている。]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/zadankai/000107.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">座談会</category>
        
        
         <pubDate>Wed, 15 Jul 2009 16:28:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ウィーン売買条約発効後の実務対応（2）</title>
         <description><![CDATA[<img alt="20090714-1.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090714-1.jpg" width="210" height="140" class="right" /><font color="#000099"><b>3．7条</b></font> <font color="#6699FF">注2</font> <font color="#000099"><b>の精神とその解釈</b></font>
<b>吉川</b>　　総則の規定で、抽象的・包括的なために実務関係者が見落としそうなものとして7条があります。これは、ＣＩＳＧの機能に関わる重要な条項のように思えます。7条1項では、条約解釈にあたっては、条約の国際性や、適用における統一および信義遵守促進の必要性を考慮しなさいということが規定され、さらに7条2項には、条約において明示されていないものについて「条約の基礎を成す一般原則」に従い、このような原則がない場合には「国際私法の準則により適用される法」に従って解決しましょうというくだりがあるわけです。これは、日本法の世界に生きていた我々に対して、これからは世界基準、グローバルスタンダードが入ってくるから、それを理解して国際取引に応じなければならないと迫っているように思えるわけですが、この点についてどう考えられますか。

<b>大貫</b>　　まず、この条約の基礎にある一般原則に従い解釈されるべきというところで、国際的一般原則も考慮する必要があります。非常にやっかいな問題なんですけれども、グローバルに見た場合に、ユニドロワ国際商事契約原則 <font color="#6699FF">注3</font> というものが、一つの具体例として挙げられます。ＩＣＣ（国際商業会議所）の仲裁によく見られます <font color="#6699FF">注4</font>。例えばＣＩＳＧ78条の利息の規定には具体的な利率の規定がありません。利率の決定は、国家法の前に、「条約の基礎にある一般原則」に求めることになりますが、その場合、法の一般原則として、ユニドロワ原則の7．4．9条2項に求めることがあります。そこでは「支払地の銀行による最優遇短期貸出の平均的レート」を基準として挙げています。国家法としての日本の商法の利率などは、果たして実務において現実的かどうかちょっと疑問ですから、そういう意味では、ＣＩＳＧに対する補完的な役割として今後ユニドロワ原則が重要性を増してくるのではないかと考えています。

<b>吉川</b>　　ということは、ＣＩＳＧに規定がない場合には、各国の国内実体法をすぐ参照するのではなくて、7条2項の示している条約の基礎をなす一般原則を先に探求して、その結果ユニドロワ原則などを一旦参照したうえで、各国の国内法を見にいくというステップになるわけですね。

<b>大貫</b>　　そうですね、7条2項によりますと、すぐに国家法の適用に行くのではないわけですよ。

<b>竹下</b>　　そこはやはり、企業からすると大きな落とし穴というか、整理しないといけないことです。どの法が適用されるか論理的にフローチャートをたどるべきなんですね。ライセンス供与など売買に関しないことは、当事者の定めた準拠法条項に従うのだと思うのですけれども、売買に関することだと、最初がＣＩＳＧで、ＣＩＳＧにちゃんと書いてないことについては、日本法と思いきや実は違うところに行っちゃうということも理解しないといけないわけですね。で、結局、ユニドロワも勉強しましょうということかと。

<b>小林</b>　　そうですね。そのあたりがやはり、どうなるのかが不明確だからリスクがあるのかなというところですね。

<b>竹下</b>　　そう、だから、この条約の規定の範囲内なのか、範囲外なのか、どこまで区別できるのかなという問題があって、境界事例になったとき困るという気はしますね。

<b>大貫</b>　　さらに、日本において、ユニドロワ原則を知っている人はそんなにたくさん居ませんが、欧米では、ユニドロワ原則は結構普及していまして、日本と海外との事情の違いというのがあるんじゃないかと思います。

<b>小林</b>　　先ほどの利率の話に戻れば、ＣＩＳＧは基本的に任意規定であるし、当事者間で利率を契約中にはっきりと定めておくことが大事なのかなという気がします。サブプライムローン問題の関係でそれが適切なのかどうか疑問もありますけれども、例えば、ライボー <font color="#6699FF">注5</font> を基準として、ライボープラス何％とか。


<hr size="2" color="#000099">

<font color="#6699FF">注2</font>
第7条　（1）　この条約の解釈に当たっては、その国際的な性質並びにその適用における統一及び国際取引における信義の遵守を促進する必要性を考慮する。
（2）　この条約が規律する事項に関する問題であって、この条約において明示的に解決されていないものについては、この条約の基礎を成す一般原則に従い、又はこのような原則がない場合には国際私法の準則により適用される法に従って解決する。

<font color="#6699FF">注3</font>
UNIDROIT Principles of International Commercial Contracts：私法統一国際協会（UNIDROIT）が国際商事契約のための一般的準則を定めるために作成したもので、国家法でも条約でもなく、またモデル法でもなく、「これは各国で行われている契約法および債権法に共通する原則を要約したともいうべきものであり、当事者の援用によりあるいは裁判官、仲裁人が法規の欠缺を補うために適用されることを目的」とするもの（高桑昭『国際商取引法（第2版）』（有斐閣、2006年）13頁）であって、契約法ルールの国際的リステイトメントと理解される。

<font color="#6699FF">注4</font>
ICC Bulletin Vol10/No.2-Fall 1999,p33-101“Extracts from ICC Awards referring to the Unidroit Principles.

<font color="#6699FF">注5</font>
LIBOR. London Interbank Offered Rate.　ロンドン銀行間出し手金利。]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/zadankai/000105.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">座談会</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 14 Jul 2009 10:40:43 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ウィーン売買条約発効後の実務対応（1）</title>
         <description><![CDATA[<hr size="2" color="#000099">


08年に日本が条約に加入してからも、実務での関心が高いとはいえなかったウィーン売買条約（ＣＩＳＧ）であるが、いよいよ09年8月から日本でも発効する。今後、企業が考えるべき影響や対応策はどのようなものだろうか。
企業の法務担当者、弁護士、実務家出身の研究者など4人の専門家に、それぞれの立場から議論していただいた。
以下、（1）～（2）ではオプトアウトの活用など総論的内容を、（3）～（5）では、解除、保証など各条項の問題点について検討する。
（Business Law Journal　2009年5月号および6月号に掲載）
<hr size="2" color="#000099">


<font color="#000099"><b>1．ＣＩＳＧ加入は歓迎すべきことか</b></font>
<b>吉川</b>　　さて、ＣＩＳＧへの加入を日本が果たし、08年7月に加入書が国際連合に寄託されています。そして、今年、09年の8月からは日本において条約が発効するわけですけれども、これは日本企業にとって歓迎すべきことなのか、あるいは歓迎すべからざることだと評価するのか、その辺をまず伺いたいと思います。

<b>大貫</b>　　ＣＩＳＧの前文の後段には「異なる社会的、経済的及び法的な制度を考慮した国際物品売買契約を規律する統一的準則を採択することが、国際取引における法的障害の除去に貢献…」というくだりがあります。日本はＣＩＳＧの71番目の加盟国となりますが、国際物品売買契約法の世界的な調和化という点において、貿易大国である日本が加盟する意義は非常に大きいと思っております。また、国際商事仲裁に携わる者として仲裁に対する好影響を指摘したいところです。ＣＩＳＧの規定には、「裁判所又は仲裁廷」と二つを併記している箇所があるように、国際的な商事紛争の解決にあたっては、仲裁がグローバルに活用されております。国際商事仲裁手続においても、ＣＩＳＧによる国際物品売買契約法の世界的標準化の意義は非常に大きいものではないかと思っています。
　ＣＩＳＧ加盟による企業のメリットですが、第一に、外国法が準拠法に指定された場合でも相手方の営業所がＣＩＳＧ加盟国にあれば、ＣＩＳＧが適用されるので外国法の調査の必要性が低くなり、外国弁護士の必要性も低くなって、リーガルコストの低減につながるのではないかということ。
　第二に、ＣＩＳＧをベースとすることで、外国法への対応が最小限で済み、準拠法条項の契約交渉の時間を省けること。合意管轄条項や仲裁条項の交渉においても、例えば紛争処理地について、複数の選択肢があり、いずれにするかが交渉のネックとなることがあります。ＣＩＳＧの適用が選択肢の差異をある程度解消することになるわけです。
　最後に外国企業の視点から見ると、日本の法律は外国ではあまり知られていないため、日本法を準拠法とすることが拒否されることが多いわけですが、日本のＣＩＳＧ加盟により、日本法の指定も受けいれられやすくなるんじゃないかということです。

<b>吉川</b>　　私からも、日本の電機メーカーの法務担当者だった経験から一言加えますと、契約交渉において、日本法を準拠法とする交渉をすることは非常に難しい。相手方は恐らく呑まないということがわかっていながら交渉せざるを得ない。一方で、日本以外の国の法を準拠法とすることになりますと、その各国の法を調べないといけないのですが、たくさんの国の法を調べるのは大変なわけです。準拠法条項の交渉には困難さがあるということを感じておりましたから、世界のスタンダードとしてＣＩＳＧが定着して大きな地位を占めることは、法務の立場から見て、各企業にとって良いことだなというふうには思います。同じく、メーカーで法務をされている竹下さんはどういうふうにお考えでしょうか。

<b>竹下</b>　　正直なところ迷っています。良かったのか悪かったのか。先程吉川先生は日本法を準拠法にするのは契約交渉上難しいとおっしゃったんですけれども、恐らく、それぞれの企業の立場や業界によって事情が違うのではないかと思います。当社はたまたま完成車メーカーということで、交渉において比較的有利な立場にあることが多いので、実は、日本法を指定する準拠法条項でも、そんなにもめたことがないんですね。各国政府の要請で進出するような場合には、もう相手国法と決まっているケースもありますが、そういうのを別にすれば、大体が日本法で合意しているのが現状です。それを、日本法ではなく、私どもになじみのないＣＩＳＧに変わりますよというのはどうかと。やっぱりなじみの深い法律を適用したいところです。それがダメならＣＩＳＧ、絶対避けたいのは、全然知らない相手国の法律という順序だろうと思うんですね。だから、自分の企業がどこからスタートするかによって見方は違うのかなと思います。
　条約の中身自体は、これはこれで良い制度、中身だと思うんですけれども、当社に関していえば、今までと違ってきてしまうので、それがどれくらいの違いなのかという不安があります。特に、条約が規定しているのが売買に関する部分だけなので、それ以外のことを同じ契約で定めてしまうと、全体がどう扱われるのかまだ見えていないというのが迷っている最大のポイントです。

<b>吉川</b>　　関西で、国際事案をたくさん扱っておられるきっかわ法律事務所の小林先生はこの条約をどういうふうに評価されますか。

<b>小林</b>　　私自身の経験から申し上げますと、準拠法の決定というのは、当事者間の交渉力に大きく左右されます。特に、欧米企業との契約においては、日本法を準拠法とすることは難しい。他方で、それならＣＩＳＧで合意できるかというと、逆の不安もあります。というのも、彼らが提示してくる準拠法条項は、例えばＣＩＳＧの適用を排除したニューヨーク州法であったり、あるいはＣＩＳＧの適用を排除したドイツ法であったりということが結構あるからです。他方、日本企業が、韓国や台湾や東南アジア諸国との間で契約を締結する場合には、極端な場合日本語の契約で、日本法が準拠法で、執行承認の問題もありますけれども、日本の裁判所が専属管轄になっているというような契約書もあるので、このＣＩＳＧ適用が日本の企業にどういう影響を及ぼすのかと気になっております。具体的には、日本の企業が、立場が強いときに、わざわざ「ＣＩＳＧの適用を排除した日本法」という提示をしなければならなくなるということで、ある意味、交渉しにくくなるという気がしております。また、日本法が準拠法の既存の契約について、今後、何か対応しなければならないのではないかという点も問題だと思っています。

<b>吉川</b>　　竹下さんと小林先生に伺いたいのですが、日本法は、現時点では英語化されていなくて、世界のスタンダードにはなかなかなり得ないんじゃないかと思うのですが、それでも日本の実体法を準拠法として推進していかれるというお気持ちもおありなんでしょうか。あるいは先程ニューヨーク州法の話が出ましたけれども、ニューヨーク州法を使いたいというご希望もあるんでしょうか。

<b>小林</b>　　契約はケース・バイ・ケースで違うのですけれど、今まで日本法を準拠法にできたのに、今後ＣＩＳＧが適用になってしまうのは、日本企業にとってデメリットではないかと思われます。ＣＩＳＧ自体適用範囲が限定され、書かれていないことも多い、また、書かれていてもその解釈がどうなるのか、不明確な点があるわけです。そういう点からすると、日本法で合意することができるケースでは、ＣＩＳＧの適用を排除した日本法で合意したほうが良いのではないのかなと思っています。
　他方で、ニューヨーク州法とかイギリス法なども、その適用範囲や解釈はある程度調べればわかるわけです。そういう国の法のほうが、法的な安定性や解釈のわかりやすさといった点で、準拠法がＣＩＳＧになるよりは良いと感じております。

<b>吉川</b>　　なるほど。場数を踏んでおられる小林先生らしいコメントだと思いますが、竹下さんはどういうふうに思われますか。

<b>竹下</b>　　今、外国法を準拠法として契約してしまっている企業からすれば、「それならＣＩＳＧのほうが自分たちでも相手方と同じように扱える」ということになるのではないでしょうか。つまり、どっちの企業も、ＣＩＳＧの理解について偏りがなくなるといえるでしょう。ただ、現状で日本法が適用できてしまっているということは、ある意味では「今アドバンテージを持っています」という状態であり、それはそれで良いことだと思うんです。
　現時点で、ＣＩＳＧこそ良いという決定打的なものはありませんが、8月にＣＩＳＧが発効して数年すると、今とは全然違う世界になるんでしょうか。やはりわからないものに対する不安があります。例えば、自動車を単に売買する契約ではなくて、その販売権を扱うもの、逆に海外で生産してもらう契約ならその契約中で製造ライセンスを一緒に扱うことがほとんどなので、そうすると、販売権やライセンスにはこのＣＩＳＧは全く関係ないのか。あるいは、日本民法･商法が適用されＣＩＳＧも絡んでくるのか、など、色々考え出すと、わからないところが多いなという感じです。

<b>小林</b>　　竹下さんがおっしゃるように、売買だけにとどまらないような契約も世の中にあるわけです。最近、「ＣＩＳＧに加入すれば、準拠法条項も定めなくてよいのだ」とか、あるいは準拠法条項について「単にＣＩＳＧとだけ書けばよいのだ」というような議論もあるのですが、売買にとどまらないような契約まで考えたときに、やはり問題があるのではないかと考えています。

<b>大貫</b>　　小林先生も竹下さんも、基本的には、法務スタッフを持つ大企業を念頭に置いたご発言だろうと思われるわけですが、国際物品売買を実際に行っている大多数は、いわゆる中堅中小企業です。そういう企業は、単に輸出入売買だけでなく、販売店契約にしろ、ＯＥＭ調達契約にしろ、契約交渉のときに、果たして準拠法の交渉を実際やっているのかどうか。契約書の中に準拠法規定が入っているかどうか。中小零細企業の場合、契約書すら作らないこともあるわけです。一方、日本がＣＩＳＧに加入したことで、自動的にＣＩＳＧが適用されることになります。そこをやはり評価していただく必要があると思います。

<b>竹下</b>　　確かに、知らないうちによその国の法律が適用されてびっくり、というぐらいなら、ＣＩＳＧが適用されたほうが良いのでしょうね。

<b>吉川</b>　　私の経験からいいますと、準拠法条項が契約書にないということもあるのですが、実はその中には、長々と交渉した結果、妥当な合意に至らずにやむなく準拠法条項を外してしまったというケースも含まれます。そういう意味では、やはりＣＩＳＧがあったほうが良いんじゃないかと。ＣＩＳＧについては、不安なところがまだまだ多いという批判、そして適用範囲が非常に狭いという批判もあるわけですが、とにかくこの物品売買についてのＣＩＳＧという条約をうまくリリースしないと、世界で、このような「法を統一する条約」が広まらないということに結局なってしまうのではないかと思います。売買に限らず、ライセンスとか、その他の類型の契約についても適用できるような条約が今後出てくるようにするためにも、このＣＩＳＧは成功させないといけません。実際、ＣＩＳＧは世界でほぼ成功の域に達していて、日本が乗り遅れているという段階に気づいてようやく加入を果たしたわけですから、後ろ向きではなくて、前向きに捉えていくほうが良いのではないでしょうか。]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/zadankai/000104.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">座談会</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 13 Jul 2009 10:38:38 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ウィーン売買条約締結の経緯とその概要～日本法との比較を交えて～</title>
         <description><![CDATA[<font color="#000099"><b>■ はじめに</b></font>

　「国際物品売買契約に関する国際連合条約」（略称：「ウィーン売買条約」または「ＣＩＳＧ」）は、国際的な物品売買契約に適用される私法統一条約である。日本国政府は08年7月1日に同条約への加入書 <font color="#6699FF">注1</font> を国連事務総長に寄託し、同条約は、わが国については本年、09年8月1日にその効力を生ずることとなった。この条約は、わが国の主要貿易相手国の多くを含む73か国が締約国となっており（日本は71番目の締約国）、日本企業の関わる貿易取引の多くは本条約の適用を受けることになる。従来、貿易取引の準拠法は国際私法によって決定され、いずれかの国の国内法が適用されてきたわけであるが、これが様変わりすることになる。
　そこで本稿では、実務上の関心も高い本条約について、その目的、締結の経緯と意義、そして概要を紹介することとしたい。
（Business Law Journal　2009年5月号に掲載）


<font color="#000099"><b>■ なぜ日本の加入が遅れたか</b></font>

　貿易取引に適用される法を国際私法によって決定するという従来のアプローチには、国によって国際私法が異なるために準拠法の決定に不確実性を伴うこと、また、外国法が準拠法となった場合にその法に馴染みのない当事者や裁判所に様々な負担を強いることなどの問題があり、これが国際取引の法的障害（高コストの一因）になっているところである。本条約は、国際的な物品売買契約に適用される契約法を統一することによって、国際取引におけるそのような法的障害を除去し、国際取引の発展を促進することを目的として、80年に採択され、その後88年1月1日に発効していたものである。世界においては、すでに20年にわたって適用され、多くの裁判例・仲裁判断の蓄積がある条約である。
　わが国が本条約に長く加入していなかった背景には、当初、本条約が統一私法として成功するかどうかが明らかでなかったことや、各国法が統一されていないことから生ずる障害は、当事者が準拠法指定条項や契約内容を詳細に定めることによって対応が可能であると考えられたことなどから、経済界が必ずしも本条約への加入に積極的でなく、政府としてもこの条約の締結作業に高い優先順位を与えにくかったなどの事情があった。
　しかし、その後、本条約は国際物品売買に関する統一私法としての地位を確立したばかりか、各国における立法のモデルとして契約法の世界標準ルールとなっており（わが国で現在行われている債権法改正の検討作業においても、本条約は有力な立法モデルの一つとして参照されている）、本条約の成功に関する懸念は払拭されたといえる。また、わが国の貿易をめぐる環境も変化した。すなわち、貿易相手国が多様化し（特に中国をはじめとする東アジア諸国 <font color="#6699FF">注2</font> との貿易の拡大が目覚ましい）、それにともなって当事者が多様な法体系に対応する必要性も増大したのであるが、他方で、そのような対応をする体制が必ずしも整っていない中小企業による貿易も拡大しており、統一法の有用性が実感されるに至っていた。今般、わが国が本条約への加入に踏み切ったのには、このような背景がある。


<font color="#000099"><b>■ 本条約の概要</b></font>

<font color="#000099">1　どのような契約が適用を受けるか</font>

<b>①　適用基準</b>
　本条約は、締約国が法廷地となった場合において、まず、異なる締約国に営業所（営業所が複数ある場合にはその契約に最も密接な関係を有する営業所（10条））が所在する当事者間の物品売買契約に適用される（1条⑴⒜）。これが、本条約適用の最も基本的なパターンである。
　さらに、国際売買における当事者の一方または双方の営業所が非締約国に所在するときでも、締約国が法廷地であって、その国際私法の準則によった場合いずれかの締約国の法が準拠法として指定されるのであれば、その裁判所は本条約を適用することになる（同条⑴⒝）。日本が法廷地となった場合を例にとれば、わが国とタイや英国など非締約国との貿易取引であっても、例えば、当事者が日本法を準拠法として選択しているときや、その契約の最密接関係地が日本であるときには本条約が適用される（法の適用に関する通則法7条・8条1項参照）。後者の場合、物品売買契約の最密接関係地は輸出国であると推定されるから（同法8条2項参照）、日本から非締約国に向けた輸出取引にも、通常は、1条⑴⒝によって本条約が適用されることになろう。
　もっとも、一定の要件を満たす消費者による売買等については適用除外が定められている（2条）。また、売主が目的物引渡義務・所有権移転義務等以外に、役務を提供する義務も負う場合については、それを売買契約と性質決定してよいかどうかが問題となるが、これについては、売主の義務の「主要な部分」が役務の提供から成る場合（例：プラント輸出契約、フランチャイズ契約の多く）には、本条約は適用されないとされている（3条⑵）。
<b>②　合意による適用排除</b>
　以上の適用基準を満たす契約であっても、当事者は、合意によって本条約の適用を排除することが認められている（「当事者は、この条約の適用を排除することができるものと〔する〕」（6条））。当事者が本条約の適用を排除した場合、その契約に適用される法は、国際私法によって指定されることになる。
<b>③　時間的適用範囲</b>
　なお、日本が法廷地となった場合において、本条約が適用されるのは、わが国について本条約が発効する本年8月1日以後に締結された契約についてのみである（100条⑵）。ただし、契約締結プロセスが同日以前に始まっていた場合には、その契約締結プロセスには本条約は適用されない（同条⑴）。


<hr size="2" color="#000099">

<font color="#6699FF">注1</font>
わが国は本条約の署名解放期間（91条（1））内に署名をしなかったため、本条約の締結手続は、「批准」ではなく「加入」による。
<font color="#6699FF">注2</font>
現時点で本条約の締結国となっている東アジア諸国は、中国（86年）、シンガポール（95年）、韓国（04年）、日本（08年）の4か国（括弧内は締結年）にとどまるが、ASEAN域内さらにはASEAN＋3の経済連携が強まるなかで、ASEAN諸国においても本条約締結に向けた動きの具体化が予想されている。]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/kaisetsu/000099.html</link>
         <guid>http://www.businesslaw.jp/blj-online/kaisetsu/000099.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">解説</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 22 Jun 2009 17:48:36 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>［Focus］日本版フェアユース規定の導入でビジネスは変わるか？（4）</title>
         <description><![CDATA[<img alt="20090615-1.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090615-1.jpg" width="140" height="180" class="right" /><font color="#000099"><b>考慮要素を明示した受け皿規定の導入が法的安定性を高める</b></font>


<font color="#000099"><b>■ 一般条項の必要性</b></font>
<font color="#000099">―― なぜ「日本版フェアユース規定」が必要とされているのでしょうか。</font>
　現行の著作権法では、権利の制限規定は厳格に解釈すべしというのが従来の判例・通説なのですが、厳格解釈を貫くと誰もが不都合だと思う結論になってしまうことが多々あります。例えば、自宅でテレビ番組を録画して個人用のビデオ・ライブラリーを作った場合、起草者の逐条解説書によれば、それは私的複製として許される範囲を超えたものとされています。もしこれが違法ならハードディスクレコーダーを個人的に使用する行為も違法になってしまうでしょう。
　もちろん実際に裁判になれば、「雪月花事件」や「市バス車体事件」などで見られたように、裁判官がいろいろな論理で侵害を否定することも考えられます。
　しかし、明文の規定と通説に従えば権利侵害になってしまう以上、萎縮効果は無視できないと思います。また、仮に裁判官が救済してくれるとしても、根拠条文が明らかでない以上、裁判官によってどのような事情が考慮されてどのような結論になるか分かりません。
　そこで、根拠条文となる一般条項を設けるとともに、考慮要素を明示することにより、裁判官がどのような事情をどのように考慮して判断すべきかを明確にすることで、その判断に一定のコントロールをおよぼすべきではないかと私は考えたわけです。
　フェアユース規定のような一般条項を入れると判断基準が不明確になるという批判があるのは承知していますけれども、私の意見ではむしろ逆です。現状において厳格解釈を完全に貫くことができない以上、判断基準はすでに不明確なのです。考慮要素を明示した一般条項を設けることで、むしろ法的安定性が高まるのではないかと考えられます。また裁判官による判断構造が可視化され、その判断の妥当性を客観的に検証できるという効果も見逃せないと思っています。

<font color="#000099">―― アメリカのフェアユース規定のような考慮要素を条文に入れることをお考えですか。</font>
　それは議論になるでしょうね。例えば、アメリカのフェアユース規定では「著作物の潜在的市場に対する影響」などが考慮されていますが、こうした要素を日本版フェアユース規定においても明示的に掲げるかどうかは賛否両論あると思います。
　現行の著作権法では、20条2項4号に同一性保持権を制限する一般条項がありますけれども、そこでは、「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様」といった考慮要素が掲げられており、これも参考になります。
　また、そもそも「公正」という文言を用いるのか、それとも「正当」や「必要」ですとか「やむを得ない」といった文言にするのかという点も問題になります。
　もし一般条項を導入することになれば、具体的な文言について、文化庁の審議会で議論されていくことになると思います。


<font color="#000099"><b>■ フェアユース規定の適用範囲</b></font>
<font color="#000099">―― ビジネス面での影響はどの程度あるとお考えでしょうか。</font>
　もともと私が日本版フェアユースとして念頭においていたのは、個別の制限規定を厳格解釈したために不当な結果になってしまう事態を救済するための規定でした。こうしたいわば防御的な規定であれば、裁判上の結論としては、あってもなくても基本的に変わらないような規定になろうかと思います。それだけでも十分意味があると思っておりますし、さしあたりはそれくらいが穏当なところではないかと思っています。
　ただ、それでは夢がないではないか、というご批判もあるでしょう。むしろ今までできなかった行為が適法とされるような、いわば攻撃的な規定を求める向きも強いようです。そこまで含めるかどうかは、今後コンセンサスが得られるかどうかにかかっています。

<font color="#000099">―― これまで不可能だった利用が可能になるのはどのような場合でしょうか。</font>
　例えば、アメリカでフェアユースに当たると考えられているものとして、著作権侵害訴訟で問題になった楽曲の比較サイトがあります。これは研究や教育のために大変有用なサイトなのですが、日本でこれをやると、いくら裁判官が頑張っても権利侵害を否定しにくいのではないでしょうか。しかし、もし日本版フェアユース規定ができれば、こうしたものも許される可能性が出てくると思います。また検索エンジンについては、明文の規定が設けられる予定ですが、日本版フェアユース規定で救われる可能性もあるでしょうね。
　しかしさらに進んで、これまで裁判例等において違法とされてきた一定の行為についても、フェアユース規定によって合法化すべきという期待もあるようです。
　例えば、過去の放送番組をネット配信することは現行法上、権利者の許諾が必要ですが、そうしたビジネスが社会的に有用であるという理由で、日本版フェアユース規定により許諾を得る必要がなくなるとか、放送番組を海外で視聴できるようにするサービスも、裁判例によってしばしば違法とされていますが、これも日本版フェアユース規定によって適法になるといった声も耳にします。むしろそのためにこそ、この規定をつくるべきという方もおられます。
　しかし、果たしてそのような広い適用範囲をもったフェアユース規定が妥当なのか疑問が残ります。アメリカでもフェアユース規定ができる前から裁判例においてフェアユース的な判断が積み重ねられてきたわけであって、明文の規定はそれを根拠づけたにすぎません。現行の日本法で裁判例がすでに違法としてきたものが、フェアユース規定ができたことで簡単に適法になるというのは難しいのではないかと思います。
　もし、そのようなことを期待するのであれば、そうしたサービスを適法にする制限規定を設けるとか、間接侵害に関する法改正を模索すべきでしょう。日本版フェアユース規定があれば、打ち出の小槌のようにどんな問題にも対応可能となるということはないと思います。]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000090.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">インタビュー</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 15 Jun 2009 15:00:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>［Focus］日本版フェアユース規定の導入でビジネスは変わるか？（3）</title>
         <description><![CDATA[<img alt="20090601-2.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090601-2.jpg" width="140" height="180" class="right" /><font color="#000099"><b>一般規定の濫用が権利者の泣き寝入りを生む恐れも</b></font>


<font color="#000099">―― 「日本版フェアユース規定」の導入に賛成でしょうか。</font>
　導入した場合の弊害について十分な議論がなされていないので、慎重論です。たしかに、フェアユース規定があれば、「雪月花事件」のように、不合理な結論を回避するための無理な条文解釈が不要になるという利点があります。しかし、フェアユースの基準が曖昧で拡大解釈されてしまえば回復不可能な被害が権利者に生じることも予想されます。
　導入した場合に発生する問題点を十分に検討するとともに、制限規定等の法改正による対応とどちらが望ましいかを冷静に比較検討する必要があると思います。

<font color="#000099">―― どのような事態が懸念されますか。</font>
　フェアかどうかを事後的に裁判所で判断してもらった結果、アンフェアだという結論になった場合、どうなるのでしょうか。 今、ネット関連のベンチャー企業での活用を想定したフェアユース論議が盛んですが、その場合、結果としてベンチャー企業は投資した資金を回収できないでしょうし、権利者は実際には損害賠償などの侵害回復が極めて困難だろうと考えられます。
　そもそも、多くの著作権者は個人や小さなプロダクション等の会社です。自分の権利が「フェアユース」の名の下に侵害された場合に、多額の裁判費用をかけたところで損害賠償は微々たるものかもしれないし、裁判でアンフェアであると結論が出ればその企業は事業モデルが成り立たなくなるわけですから経済的に破綻している可能性が高い。そのようなことを考えたときに、裁判による事後規制に委ねてよいのか、権利者は多くの場合には泣き寝入りという事態になりかねないのではないか、そういうこともきちんと考えなければならないと思います。
　現状、明らかに著作権侵害にあたるような二次利用のものでさえも、フェアユースにあたるのではないかという誤解が一部にあります。また、とてもフェアユースとは言えないようなことまで、取りあえずフェアユースと言い張っておこうと考える人々の存在も懸念されます。これまでは侵害を認めてもらって話し合いで解決できた事案でも、裁判をしなければ解決できなくなることが増えるでしょう。警察に告訴しても警察が対応することが難しくなることも懸念されます。

<font color="#000099">―― 立法による解決のほうが望ましいということでしょうか。</font>
　これまでのように必要に応じて個別の権利制限規定をつくる方法でも、フェアユース規定を設けて事後的に裁判所が判断する方法も、どちらも間違いではないと思います。
　著作権法の改正は毎年のように行われています。権利者・利用者の双方の意見をきちんと聞いたうえで改正を行うのと、最高裁や知財高裁での判断が確定していくのと、どちらが早くかつ明確なのでしょうか。そもそも、コンプライアンスを重視する企業は、立法や明確な司法判断がなされなければ、事業参入しないでしょう。そのことを考えたときに、フェアユース規定を設けて事後規制を行っていくのと、速やかな立法解決を重視していくことと、どちらが適切かを考える必要があると思います。

<font color="#000099">―― 司法による事後的判断であれば、とりあえずビジネスを始められるメリットがあります。</font>
　そのかわり、権利侵害を惹起してしまうリスクも相当ありますよね。ベンチャー企業だから他人の権利を侵害することがあってもしょうがないというのであれば乱暴な意見だと思います。そして、この点は先ほどのフェアユースを標榜したフリーユースという弊害的な事案がどれほど強く懸念されるかということとも関連します。]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000089.html</link>
         <guid>http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000089.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">インタビュー</category>
        
        
         <pubDate>Fri, 12 Jun 2009 12:05:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>［Focus］日本版フェアユース規定の導入でビジネスは変わるか？（2）</title>
         <description><![CDATA[<img alt="20090601-1.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090601-1.jpg" width="140" height="180" class="right" /><font color="#000099"><b>中長期的な観点から法的インフラの整備として必要</b></font>


<font color="#000099">―― 映画・音楽業界にとって、フェアユース規定の導入は望ましいことでしょうか。</font>
　プラスになることはあっても、マイナスになることはあまり考えられません。もちろん個人の考え方次第ですから、もっぱら権利者として許諾することばかりを意識している業界人などは、必ずしも賛成ではないかもしれません。ただ、本当の意味での“プロデューサー”は、作り手として「他人の著作物が少しでも映像に写り込んでいたら著作権侵害になるのでは？」といった類のモヤモヤに常にさらされています。フェアユース規定によって、そのような心配を少しでも減らせるのであれば、作り手としての映画・音楽業界人が反対する理由はあまりないと思います。

<font color="#000099">―― 導入に伴うメリットをどう見ていますか。</font>
　効果として圧倒的なものはないが、プラスにはなるという程度ではないでしょうか。これまでも、日本の著作権法にフェアユースはありませんでしたが、フェアな使い方であれば、何らかの形で侵害が否定されてきました。ですから、基本的には、これまでと変わりない世界が続くということだと思っています。
　たしかに、ＭＹＵＴＡのようなサービスを事業の中心に据えるＩＴ系企業は著作権法に足を引っ張られていますが、全体から見るとごく一部にすぎません。パロディ等との兼ね合いで大きく問題になるのは著作者人格権のほうですから、今回、議論されている日本版フェアユース規定が及ぼす影響は、どちらかというと技術的な分野にとどまるのかもしれません。人格権が弱まるようなことがあればフェアユース以上に産業活性化に寄与すると思いますが、権利者がこぞって反対するでしょうから、これは永遠に「悲願」のままかもしれませんね。

<font color="#000099">―― アメリカではフェアユースによる経済効果は高いのでしょうか。</font>
　映画制作現場の例でいうと、アメリカの弁護士たちは、映画に少しでも著名企業の看板が写り込んでいれば、当該企業に電話して訴えないことを承諾するサインをお願いしたり、素人の通行人が写り込んだら同意書をもらいに追いかけるということを相変わらずやっています。「フェアユースで勝てるでしょ？」と彼らに尋ねても、「訴えられたら、何十万ドルも裁判費用がかかるから、勝てるとしても全部許諾をとらないとダメなんだ」という理屈です。
　フェアユースは何かあったときのセーフティーネットの役割を果たしますが、それによって産業が栄えるかはまた別の話でしょう。

<font color="#000099">―― 導入することが必須とまではいえないという位置づけですか。</font>
　必須のインフラの一つとして導入すべきです。フェアユースの効果というのはボディーブローのようなもので、「ここから先はダメ」という重しがはずれて、「ここから先でも、フェアだったらＯＫかもしれない」と変われば、少しずつ新たなアイデアでチャレンジをする人が出てくると思います。
　裁判が増えるという懸念もささやかれますが、フェアユースにあたるかどうか、著作権を専門にしている弁護士でも判決が出るまで分からない微妙な案件は少ないと思いますので、著作権関連の裁判がそれほど増えるとは思えないですね。公正性というのは常識的なところで判断されるものです。

<DIV ALIGN="RIGHT">［Business Law Journal 2009年1月号掲載］</DIV>]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000088.html</link>
         <guid>http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000088.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">インタビュー</category>
        
        
         <pubDate>Fri, 05 Jun 2009 22:34:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>［Focus］日本版フェアユース規定の導入でビジネスは変わるか？（1）</title>
         <description><![CDATA[<hr size="2" color="#000099">


08年10月、政府の知的財産戦略本部に設置されたデジタル・ネット時代における知財制度専門調査会は、日本版フェアユース規定を導入することが適当である、とする報告案をまとめた。今後、具体的な規定のあり方等について、文化庁での審議会に委ねられることになる。
注目を浴びている日本版フェアユース規定であるが、導入された場合の影響については論者により見方が異なるところだ。編集部では、日本版フェアユース規定の導入論議をリードしてきた中山信弘氏と上野達弘氏、著作権法の実務に詳しい弁護士の内藤篤氏と伊藤真氏にビジネス面での影響を中心にお話をうかがった。
（Business Law Journal　2009年1月号および2月号に掲載）
<hr size="2" color="#000099">




<img alt="photo01" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090514-1.jpg" width="140" height="180" class="right" /><font color="#000099"><b>著作権者の利益を害さずに
社会全体の便益となるビジネスを救う</b></font>


<font color="#000099">―― なぜ「日本版フェアユース規定」が必要なのでしょうか。</font>
　どの法律の根本にもフェアという観念があり、裁判官はその観念を基礎に法解釈しています。著作権法上、形式的には権利侵害にあたるけど、どう考えても侵害と判断するのはおかしいという事件も多く、裁判官は苦労して既存の概念を柔軟に操作することで侵害を否定しています。フェアユース規定ができれば、そのような事件が楽に処理できるようになるでしょう。ただ、それだけではあまり大きな効果はありません。私が考えているのは、それにプラスして、ネットビジネスを何とかしてあげたいということです。
　現在の著作権法は元来インターネットを想定してつくられているものではありませんから、今、ネット関係のビジネスを行おうとすると、形式的な複製権侵害をはじめとした著作権上の問題が非常に生じやすくなっています。今の法律ではそれらは権利侵害と言わざるを得ないし、実際に裁判例で侵害とされているものもたくさんあります。
　しかし、ネットビジネスは時間が勝負ですから、国会による法改正を待っていてはとても間に合いません。日本でダメならアメリカに行ってビジネスをしようということになってしまい、資源のない日本にとって大事なネットビジネスを潰してしまうことになります。だから、フェアユース規定を早期に入れる必要があると考えています。09年の通常国会で日本版フェアユース規定を入れて欲しいと願っておりますが、若干雲行きが怪しくなってきました。その次の国会では何とか成立させて欲しいものです。

<font color="#000099">―― ビジネスよりも、主に非営利目的での利用が想定される、とする見解もあります。</font>
　私は日本版フェアユース規定の基本的な考え方や判断にあたって考慮すべき要素は、アメリカと似たようなものでいいと思っていますが、アメリカでは、営利だから絶対にフェアユースにならいというものではありません。
　営利目的かどうかはフェアユースの一つの判断材料になるでしょうが、営利だからフェアユースにならないということでは新しいビジネスの芽を摘んでしまいます。それでは導入する意味がないですね。

<font color="#000099">―― フェアユースにあたるようなビジネスユースとは、どのようなものでしょうか。</font>
　Googleのような検索エンジンが典型的なものですが、フェアかどうかの判断は個別具体的ですから、このようなものであればセーフとかアウトとは一概にはいえません。それがフェアユースの妙味です。
　ネットビジネスの中にも、権利者のマーケットと競合するような利用の仕方もあれば、権利者の収入が減るわけではないような利用の仕方もたくさんあると思います。今の著作権法では形式的に侵害していれば権利者に損害が生じるか否かにかかわらず著作権侵害となります。
　しかし、社会全体が便益を受けているのか、本当に著作権者の利益を害しているのかということまで含めて考えれば、著作権侵害ではないとして救ったほうがいいビジネスというのもいっぱいあると思います。

<font color="#000099">―― フェアユースが認められにくい分野はありますか。</font>
　基本的に、権利者とマーケットで競合するような利用はフェアユースにあたらないと考えられます。アメリカでも潜在的マーケットを侵していないかが考慮要素にあがっています。ですから、他人の音楽や映像をつなぎ合わせたコンテンツの二次利用はフェアユースにはあたらない可能性が高いでしょう。
　また、個々の権利者と契約でやればうまくいくような分野は、フェアユースになりにくいカテゴリーのものだと思います。フェアユースとして認められるかどうかを考えるにあたっては、トランザクション・コストが大きな意味をもっています。ネット上には多数のウェブサイトが存在しており、検索エンジン事業者が世界中のサイト運営者と契約することは実質的に不可能ですから、フェアユースの適用が考えられます。他方、権利処理団体があるような場合にはフェアユースを認める必要性は低いといえるでしょう。]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000084.html</link>
         <guid>http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000084.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">インタビュー</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 04 Jun 2009 19:40:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>国際法にアジアの視点を</title>
         <description><![CDATA[<img alt="20090602-1.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090602-1.jpg" width="160" height="180" class="right" /><font color="#000099"><b>─研究者と実務家のコラボレーションを促進する
アジア国際法学会第2回大会が8月に東京で開催─</b></font>

アジア国際法学会（小和田恆会長）の第2回大会が8月1日、2日に東京で開催される。「多極・多文明世界における国際法：アジアの視座、アジアの課題、アジアの貢献」をテーマに、公開フォーラム、全体セッションおよび国際人権法、国際刑事法、国際環境法、国際経済法等に関する14のパネルが開催される。
国際経済法に関するパネルの一つでモデレーターを務める、中川淳司・東京大学社会科学研究所教授に、企業の法務担当者にとっての大会の見どころをうかがった。


<font color="#000099">─―アジア国際法学会の目的と特徴について教えていただけますでしょうか。</font>
　2007年4月、アジアにおける国際法の研究・教育・実践の発展、国際法におけるアジアの視点の明確化、アジアにおける国際法の認知と尊重の促進――を目的として発足しました。2年に1回、研究大会を開催することとしており、2009年の東京大会は第2回大会にあたります。
　多くの国の研究者が参加する国際法学会としては、1906年に設立された米国国際法学会や2004年に設立された欧州国際法学会がありますが、アジアをカバーする国際法の学会はこれまで存在しませんでしたので、この学会が果たすべき役割は非常に大きいと思います。
　また、アジア国際法学会は、国際法の研究者に限らず、弁護士や外交官といった実務家に対しても広く門戸を開いていることが大きな特徴です。学会の設立準備段階から、国際経済法、国際人権法、国際環境法といった分野において活躍されている日本の有力な法律事務所の多大なる協力をいただいています。

<font color="#000099">─―ビジネスに関連するパネルの概要について教えていただけますでしょうか。</font>
　全部で14のパネルが行われますが、そのうちの三つが国際経済法に関するものです。
　1日目午前に行われる「ルール受容者、攪乱者からルール創造者へ：日本、中国、韓国の国際経済法形成への貢献」と題するパネルでは、ペッカネン・ワシントン大学教授らが、ＷＴＯ（世界貿易機関）における東アジア3か国の主張・行動がどのように変わってきたかをたどります。アンチダンピングをはじめとした貿易救済措置は、国内産業の保護のために濫用されがちですので、ＷＴＯのルールはどう守られるべきなのか、輸出が盛んな東アジア3か国の視点から議論が行われるものと思います。アンチダンピングなどで痛い目にあったことのある企業の方にとっては政府に対してどう働きかけるべきか、という観点からも参考になると思います。
　2日目午後の前半には「投資協定仲裁」のパネルがあります。投資受入国と外国投資家との間で紛争が生じた場合、投資受入国の裁判所の判断に従うとすると、どうしても外国投資家が不利になることから、投資協定に基づいた仲裁で解決する例が増えています。これまでに公表されたもので300件ほどあり、事例が積み重なって予測可能性も高まっているといわれています。しかしながら、アジアの企業は、撤退を余儀なくされるようなケースでもないかぎり相手国政府とは穏便に事を済ませたいという意識が強いようで、投資協定仲裁はあまり使われていないのが現状です。日系企業でも過去に1件しか事例がないと聞いています。弁護士費用がそれなりにかかるとはいえ、相手国政府の都合ばかり聞かざるを得ない立場になってしまえば、中長期的な経営の観点やコンプライアンスの観点から大きな問題となり得ます。投資協定仲裁をもっと知り、ビジネス現場でも積極的な活用を検討していただけたらと思います。
　2日目午後のパネル「国際貿易・投資紛争解決の透明性」では、ＷＴＯ紛争解決手続および投資協定仲裁における透明性の確保について検討します。その背景には、輸入国や投資受入国における環境規制や食品安全規制の適法性が国際貿易紛争・投資協定仲裁で争われるケースが増えつつあることがあります。もし、海外への工場進出後に、突然、その投資受入国の環境基準が厳しいものに変更された場合、投資協定に反するとして仲裁人が基準の変更を認めないとしても、投資受入国内での正統性があるものについては、紛争解決プロセスを一般市民に公開し、意見書提出の機会等も用意する必要があるのではないかという問題意識です。企業として、消費者へのアカウンタビリティを尽くさないと、現地で槍玉にあげられる可能性もあることから留意する必要があると思います。

<font color="#000099">─―大会への参加方法について教えてください。</font>
　参加登録は<a target="_blank"  href="http://www.asiansil-tokyo2009.com">アジア国際法学会東京大会のウェブサイト</a>から受け付けています。参加登録の時期によって登録料が異なりますので、お早めに登録されることをお勧めいたします。大会のプログラム等についてもウェブサイトに掲載されていますので、是非ともご覧ください。


<img alt="20090602-2.jpg" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20090602-2.jpg" width="507" height="553" />

<DIV ALIGN="RIGHT">［Business Law Journal 2009年7月号掲載］</DIV>]]></description>
         <link>http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000091.html</link>
         <guid>http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000091.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">インタビュー</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 02 Jun 2009 11:01:12 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>［速報］説明義務違反によりメリルリンチ日本証券に6.9億円の賠償命令（東京地判平21・3・31）</title>
         <description><![CDATA[ <font color="#000099">［事案の概要］</font>
原告X１：資金の投資運用等を目的として平成１７年に設立された会社。同社は、平成１８年に金利スワップ取引契約上の地位を関係会社（メーカー）から承継した。
原告X２：バスの運行等を目的とする会社。
　原告X１の被承継会社は、第１取引の実行日（平成１６年６月１５日）以前において、KI/KO取引、為替予約取引、通貨スワップ取引、通貨オプション取引等のデリバティブ取引を行い、これらを含む投資活動により平成１３～１６年度にかけて、年間１４億円以上、X２は年間平均８億円以上の利益を上げていた。原告の過去の投資活動の中に、金利スワップ取引こそ含まれていなかったものの、原告がUBS契約との間で行った米ドル短期金利連動型米ドル・円通貨スワップ取引は、６ヶ月物米ドルLIBORが原告らの支払金額に大きな影響を与えるものであった。
被告Y：世界でも有数の投資銀行の日本法人たる証券会社。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第１取引（金利スワップ取引）：
成約日：平成１６年６月１５日
実行日：平成１６年６月１８日
想定元本：原告X１については、５０００万米ドル、原告X２については、２５００万米ドル
取引期間：平成１６年６月１８日～平成２６年６月１８日
原告らが被告Yから受け取る金利：当初の１年度が１０.６%/年、残り９年間が１０年物ドル・ドル・スワップ・レートと２年物ドル・ドル・スワップ・レートの差の４倍。
原告らの被告Yへ支払う金利：３ヶ月物　米ドルLIBOR
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第２取引（金利スワップ取引）：
成約日：平成１６年１１月２８日
想定元本：原告X１については、５０００万米ドル、原告X２については、２５００万米ドル
取引期間：平成１６年１１月３０日～平成２６年１２月１８日
原告らが被告Yから受け取る金利：３ヶ月物　米ドルLIBOR
原告らが被告Yへ支払う金利：平成１７年９月まで２%/年、平成１８年９月まで３.０%/年、平１９年９月まで４.００%/年、平成２０年９月まで４.８０%/年、残り５年３ヶ月間５.００%/年。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
　原告X１、X２（以下「原告ら」という）は、主位的請求として、被告Yの営業担当者・Tの虚偽説明により原告らは騙されて、被告Yとの間で第１取引及び第２取引の各契約を締結したので、両契約とも錯誤無効であると主張し、両契約上の債務不存在の確認と約２０億円の支払を求め、予備的請求として、「被告Yの営業担当者・Tが虚偽の説明をしたために、原告らは、騙されて、第１取引契約、第２取引契約を締結したところ、原告らは、損害を蒙ったので、被告Yは、原告らに損害金を支払え」との請求をした。
　これに対し、被告Yは、「被告Yの営業担当者・Tは、虚偽の説明をしていない」と反論した。

<font color="#000099">［判決の要旨］</font>
　裁判所は、主位的請求については、支払義務の不存在確認請求につき、訴えの利益を欠くとして、排斥し、約２０億円の支払義務についても、原告らに要素の錯誤は無かったとして、これを斥けた。
　裁判所は、予備的請求については、顧客が被告Yとの間で取引を締結するための適合性を満たしているか否かを検討するために社内に設けられている、特別取引検討委員会（Special Transaction Review Committee）が、平成１６年６月４日に、本件第１取引による時価評価損が、想定元本（７５億円）の－４６%に達し得ることを示す本件分析表を顧客（原告ら）に示すことを条件として、顧客との間で第１取引を締結することを承認したにもかかわらず、被告Yの営業担当者Tは、一方で、同日午後１１時過ぎに、第１取引につき、時価評価損最大－８%強であることを示す本件シミュレーション表と「同表は、第１取引のリスクの８割方を示すものであり、残り２割のリスクは、同表以外の要因によって生じる旨の説明文」を原告らにメールで送付し、他方で、最大－４６%の時価評価損を記す本件分析表を送付せず、爾後も本件分析表を原告らに送付しなかったと認定し、そのため原告らは、最大時価評価損失－１２%と誤解して、本件第１取引契約を締結したと認定した。
　裁判所は、第２取引は、第１取引における損失をヘッジする目的でなされていたという経緯等に鑑みて、原告らが第２取引によって得た利益も考慮したうえで、「被告Yの説明義務違反により、被告らは、第１取引、第２取引あわせて、上記のとおり合計で約２０億円の損害を蒙った」と認定し、さらに、過失相殺を理由として２０億円の損害の２/３の減額を認め、被告Yに６.９億円の損害賠償の支払を命じた。

<font color="#000099">［コメント］</font>
　被告Yの営業担当者Tの原告らに対する被告Y（証券会社）のための業務の執行に際して行われた詐欺行為は、故意の不法行為である。営業担当者Tは、被告Yの外務員であるとすれば、金融商品取引法６４条３により、営業担当者Tは、被告Yに代わって、金商法所定の行為に関し、一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなされる。そうである以上、証券会社の外務員の金商法所定の行為の効果は、証券会社に帰属するものと解される。証券会社の外務員の金商法所定の行為は、外務員の金商法所定の証券会社の合法的な行為のみに限らず、金商法所定の業務上の行為を執行する過程で行われ得る外務員の詐欺、横領等の違法な行為を含むと解される。そうであるとすると、外務員が金商法６４条１項各号に掲げる証券会社のための業務上の行為の執行の過程で詐欺を働いた場合、その詐欺行為の法的効果も本人（証券会社）に帰属する、と解されよう。
　契約の当事者は、契約を締結するに際しても、契約の履行に際しても、ともに、契約上の債務として、これらを誠実に履行する責任を負っている。契約に際して、契約の一方当事者が他方当事者に対して、詐欺を働いて、他方当事者を騙して契約を締結し、契約上の利益を得た場合は、当該詐欺当事者は、契約締結に至る過程における誠実義務に違反しているので、契約上の債務不履行の責任を負う、と解される。詐欺当事者は、民法４１６条に基づき、その債務不履行行為（詐欺行為）と相当因果関係に立つ全損害の賠償責任を負う。
　被告の外務員の詐欺行為の結果が、本人たる被告（証券会社）に帰属するとなると、被告の詐欺行為という被告の故意の不法行為の結果により生じた損害につき、詐欺行為の主体である被告（証券会社）とその被害者との間で、過失相殺をすることが妥当であるか、ということになる。
　①東京高裁平成１４年１月３０日判決（判時１７９７号２７頁）、②東京高裁平成１４年１２月２６日判決（判時１８１４号９４頁）、③札幌地裁平成１５年５月９日判決（金判１１７４号３３頁）、④札幌地裁平成１７年２月２４日判決（最高裁ウェブサイト）（二審・札幌高裁平成１９年９月１４日）、⑤神戸地裁平成１８年５月１２日判決（判タ１２４６号２４６頁）の各裁判例は、いずれも被害者からの詐欺行為を行った故意の不法行為者に対する請求につき、被害者の過失相殺を考慮せず、故意の不法行為から生じた損害の全てを故意の不法行為者に負担させている。
　さらに、東京地裁昭和３８年５月１３日判決（判時３３７号３９頁）は、被告（証券会社）の外務員の業務執行に際して行った横領につき、被告（証券会社）の業務を執行するためになされたものである、として、被告（証券会社）に外務員の横領により生じた損害の全てを賠償するよう命じ、被告（証券会社）からの過失相殺の主張を斥けた。
　本件では、被害者である原告X１、X２に２/３の過失有りとして、２/３の相殺を認めている。本件は、控訴審に係属中である。
（判決文はPDF）]]></description>
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         <pubDate>Wed, 22 Apr 2009 14:31:11 +0900</pubDate>
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         <title>時価会計の一時凍結？</title>
         <description><![CDATA[<img alt="photo01" src="http://www.businesslaw.jp/blj-online/images/20081106-1.jpg" width="140" height="180" class="right" />　サブプライム問題に端を発した証券化商品市場の混乱や株式価格の下落をうけて、金融商品の時価評価要求を一時凍結してほしい、凍結すべきであるというような要望・主張があることが最近報道されている。また、その方向で日本の会計基準が改正されるのではないかという観測も示されている。
　しかし、企業会計基準委員会は、10月17日に「金融危機対応に関する報道について」というお知らせにおいて、「一部報道で、企業会計基準委員会で時価会計一部凍結や金融商品の時価会計の適用の緩和を決定したかのような記事が出されていますが、憶測記事であります。」と述べており、実務対応報告第25号「金融資産の時価の算定に関する実務上の取扱い」（10月28日）も、実務対応報告という形をとっていることからも明らかなように、これまでの会計基準を変更するものではないと考えられる。また、「債券の保有目的区分の変更に関する論点の整理」（10月28日）も、以下で言及する国際会計基準審議会（IASB）の「金融資産の再分類」に対応する形での会計基準の改正を行うかどうかに関するものにすぎず、時価会計の凍結とはいえない。
　日本公認会計士協会も、10月23日に、会長声明として「時価会計等に関する所感」を公表し、そこでは「日本公認会計士協会は、会計基準が、企業の実態を反映する鏡であり、投資家に対して意思決定情報を提供するための財務諸表に関する基準であることから、金融市場の混乱を契機に金融商品の時価評価を凍結することは、到底、賛同できないと考えている。」と述べている。]]></description>
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         <pubDate>Thu, 06 Nov 2008 13:06:47 +0900</pubDate>
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