著作権法に未来はあるのか?
2008年5月29日|中山信弘氏 弁護士・東京大学名誉教授| インタビュー | コメント (2) | トラックバック (0) |

5月31日(土)東京国際フォーラムにて、知的財産権研究会100回記念シンポジウム―「著作権法に未来はあるのか」―が開催される。今回、シンポジウムに先立ち、パネルディスカッションで取り上げられる項目の概要について、同会の会長をつとめる中山信弘氏(弁護士・東京大学名誉教授)にうかがった。
シンポジウムの概要については以下のサイトをご参照ください。
http://www.lexisnexis.jp/seminar/symposium/default.htm
――今回のシンポジウムは「著作権に未来はあるのか」というテーマですが、具体的にはどのような問題意識をお持ちでしょうか。
現行の著作権法は基本的にアナログの小説・音楽・絵画等を念頭において作られたものですから、新しいスタイルの創作者、新たな情報の流通形態とミスマッチを起こしていることは誰もが認めるところだと思います。インターネットを使った新しいビジネスがどんどん生まれつつあるのに、著作権法を形式的に解釈する限り、それらのビジネスは著作権侵害にあたってしまう可能性がかなり高く、財産法である著作権法が実際にはビジネスを規制する作用を果たしている状況です。
このようなミスマッチを起こし続けたままでは著作権法に未来はないのではないか、なんとかしなければならないのではないか、というのが今回のシンポジウムの問題意識です。審議会の答申や法案作成の段階においては、権利者団体等との調整が必要になるでしょうが、まずは利害をむき出しにした議論ではなく、理屈の問題として現在の状況は著作権法とどのような齟齬をきたしているのか、その解決のためには、どのような立法をすべきか、あるいは業界慣行や契約慣行はどうあるべきかを追求することが大事だと思います。
――検索エンジン、動画関連サービス、フェアユース、著作権保護の在り方などが議論される予定となっております。各項目について、簡単なコメントを頂戴できますでしょうか。
■検索エンジン
検索エンジンについては、著作権法上、日本にサーバーを置くことが出来ない状況にありますから急を要する問題です。政治の状況にもよりますが、おそらく次の通常国会で法改正が行われると思います。今や多くの権利者にとって、検索エンジンに登録されないことは損失といえる状況ですから、細かい点は別としても、基本的な点について反対は少ないと思います。
■動画関連サービス
録画したテレビ番組を転送するような配信サービスには反対の声も多いですし、テレビに関しては純粋な著作権の問題だけではなく、県単位の放送免許になっている放送行政の問題も絡みますのでさらに難しくなります。
ただ、いずれにせよ、新しいサービスを始めようにも多くの場合には法律違反となってしまうような著作権法ではおかしいですよね。弁護士が、インターネット関係のベンチャー企業に対して「日本では危険だからアメリカに行きなさい」とアドバイスをしなければならないようでは、日本の将来は暗いでしょう。
著作権法を改正すればビジネスが盛んになるわけではありませんけれども、少なくとも著作権法が邪魔をしてビジネスができないという事態が生じないようにすべきだと思います。
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